本システムでは、世界の約1,000の空港からユーザが自由に発着空港を指定することできます。下図に、本システムで航路線量の計算対象とした主な目的地の位置を示します。
▲ 航路線量計算の対象都市
飛行方面としては、大きく次のように分類できます。
下表に、本システムで実効線量を計算対象としている目的地の都市名、空港名、空港のICAOコード及びその位置を一覧で示します。
▼ 計算対象としている目的地の都市名、空港名、ICAOコード及び位置(緯度、経度、標高)
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本システムでは、日本航空(株)のデジタル時刻表に基づいた標準的な飛行時間を計算に採用しました。同社にない便の場合は、成田空港ならびに関西空港の時刻表に基づいた飛行時間を採用しました。なお、厳密には、気象条件や混雑の具合等によって、飛行時間はフライト毎に若干異なってきます。下表に各航路の飛行時間と距離(フライトマイル数)の一覧を示します。
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飛行航路(地理緯度及び地理経度)は、気象条件や、他の飛行中の航空機との兼ね合い、混雑状況等で、複数の航路の中からその都度管制によって指示を受け若干変化します。本システムでは、地球表面上を最短に飛行する標準的なルート(大円ルート)を用いて計算を行っています。
飛行高度については、離陸時は通常15〜30分程度かけて上昇、巡航高度に達し、着陸時は20〜30分程度の時間をかけて下降します。但し、着陸時においては、空港の混雑等により、下降開始から着陸までにもっと時間のかかることもあります。本システムにおいては、一般的な上昇下降時間を考慮し、以下の条件で飛行高度を与えることとしました。
▲ 飛行高度変化のパターン
下図に、米国連邦航空局(FAA)が公表している、太陽磁場の強さ(heliocentric potential)の経年推移(1958年1月〜2005年12月の月別平均値)を示します。月毎の平均の確定値が、2〜3ヶ月遅れてFAAから公表されています。本システムでは、太陽磁場の強度が確定していない最近のデータについて、その周期的変動を正弦曲線で近似して推定しました。近似に当たっては、1996年頃の太陽活動極小期付近の太陽磁場強度を再現し、極大期はこれを下回るようにパラメータを調整しました(下図参照。)。航空機搭乗による実効線量は太陽活動が静かなほど大きくなるので、推定値に基づいて計算した線量値は安全側の評価(大きめの値)になっていると考えられます。
なお、太陽磁場強度を推定値に基づいて計算している期間については、定期的(目安として〜1年毎)に確定値に基づく計算を行い、線量値のデータを更新しています。
▲ 太陽磁場強度(Heliocentric Potential)の変動